2001.02
ビックリ仰天!モータ試験にサウジ人100人立会い

1. モータ試運転に100人立会い

異常なまでのお客様からの過剰品質要求に、上流側の設計・現地据え付け工事は多大な苦労を強いられ、試運転開始の時期は、大幅に遅れていました。
今後進展をスムーズに進め、納期遅れをを最小限に食い止めなければなりませんでした。
サウジ国内の電力需要の伸びに供給が追い付かず、ある日、お客様トップから急遽、「初号機を2001年7月中に発電せよ」との要求がありました。
これはチャンスだと思いました。初号機だけの特例とは言え、「我々主導でやりたいようにやれる、これで問題点 の洗い出しも出来、後続の3つのユニットも反映できるぞ」と。
しかし、そう甘くはありませんでした。
現地試運転を始めたのは2001年2月24日、初の試運転であるモーター試験にお客様関係者が約100人程集まりました。ああじゃない、こうじゃない」と質問責めに会い、「これは、大変だ、思うように行かない・・・」
初めての試験が終わったその夜は、不安と焦りで、眠る事が出来ませんでした。
2.疑心暗鬼から次第に信頼回復

早期発電必達のため、「我々の好きなように」との合意で始まった試運転でしたが、その後お客様からの口出しは徐々に少なくなったが、自分達には受け入れ難い我々のやり方に不満を持っているサウジ人も多かったと思います。猜疑心の強いサウジ人である。「俺たちは、日本人に騙されているに違いない」と。
試運転の転機毎に横槍・邪魔が入り、中々前に進みませんでしたが我々の総力を挙げた努力により、初号機の発電を約束通り7月30日に達成出来ました。
これから、お客様が我々を見る目が変わって来ました。我々への信頼が芽生え、試運転に立ち会うお客様も100名が半分になり、半分が数人になり、最終号機の4ユニット目には、呼びに行かなければ誰も立ち合いに来なくなりました。熱しやすく、冷めやすいサウジ人の面白い特徴ですね。
3.125%での負荷運転を要求
日本人であれば、新車を買った時、最初の走行5,000Km位は馴らし運転のため、スピードは控え目に運転する人が多いと思います。いきなり定格馬力で運転する人はかなり少ないと思いますが、サウジアラビアのガズランプロジェクトのお客様は違いました。
引き渡し前から定格の125%負荷運転を要求してきた。そもそもお客様の要求により全ての機器は一般的なサイズより余裕のある設計になってはいましたが、短時間ならまだしも「電力需要が高い夏場はずっと125%で連続運転せよ」と難題を突き付けてきました。
「なぜ120%発電運転が出来ないのか?我々の製品はおかしいのか?何処か欠陥があるのか?」という始末でした。「この人達はどうして100%出力で満足してくれないのだろうか?」最後までお客様の気持ちが理解出来ませんでした。
4.試運転成功の秘訣は、日頃からのCS活動にあり

日本のお客様に「物を良くしましょう」と言えば、感謝される。同じ事をサウジアラビアのガズランプロジェクトのお客さまにしたら、「何をするんだ、我々を騙そうとしているのだろう」と疑われます。疑いを晴らすのもCS(Customer Satisfaction,顧客第一)だとすると、改善の代償を要求されました。
サウジアラビアの場合CSがCusomer Sacrifice (契約者泣かせ)になります。そこでお客様不在の夜間や週末を狙って不適合の是正・対策を励行しました。いろいろな問題は顕在化する前に改善されて行きました。だから問題は露見しませんでした。「問題初期で即対応」、これがお客様からの信頼を得て、現地試運転を成功に導いた最大の要因だと思います。
ガズラン発電所の計画総発電量は、60万KW,4基なので240万Kwですが全てを最大出力〈75万Kw)で運転すれば300万KWの電気を発電出来ます。つまりお客様は4ユニット、240万Kwの契約でありながら、1ユニット分(60万Kw)多く発電出来るプラントを得る事が出来ています。「良いプラントを有難う」との感謝の言葉はありましたが、お礼の言葉だけで何のボーナスもなくマル儲けです。300万Kwと一言で言ってもピンと来ないと思いますが、長崎県と佐賀県の両県の電力需要を賄える位の電力を持つガズランプロジェクトは現在も高効率・高稼働率を今も続けて運転しています。
